2026/2/16

【利益直結】今日から使える中古車販売における適切な値上げの方法

こんにちは、金城です!

2026年1月の東京商工リサーチの発表によると、2025年の中古車販売業の倒産件数は過去10年で最多を記録し、販売店の経常利益率は2.1%まで悪化しているという衝撃的な事実が明らかになりました。新車供給が回復し流通量は増えているものの、輸出需要に支えられた「高値仕入れ」が続き、国内小売現場では「仕入れ値は高いのに、粗利が取れない」という危機的な状況が鮮明になっています。

こうした利益率の低下を食い止めるためには、これまでの「売れないから下げる」という消極的な価格変更から脱却し、データに基づいた「攻めの値上げ」を戦略に組み込むことが不可欠です。

今回は、データに基づき「自信を持って値上げする」ための具体的な3つのシナリオを解説します。


【この記事でわかること】

  • 適切な値上げのタイミング: 勘や経験ではなく、データの変化から「値上げすべきサイン」を読み解く方法。


① 競合車両が売れた時

これが最も分かりやすく、かつ即座に利益に直結するタイミングです。

  • 競合車両が売れた時: 市場で自社より安かった、あるいは条件が近かった個体が成約して消えた瞬間、あなたの在庫は相対的に「市場でより魅力的な1台」へと昇格します。

  • データの見方: 常に自社の掲載順位をチェックし、上位にいた車両が消えたなら、価格を数万円引き上げても「市場で上位」の地位を維持することができる場合があります。

  • 価格設定の考え方: 需要が供給を上回る売れやすい車両は、市場平均の100%〜104%という強気の価格設定でも売れます。価格の低い車両は当然先に売れていきますが、需要が供給を上回っている場合は、成約相場が上がっていきます。競合車両が先に売れた後に残った「唯一の選択肢」となれば高くても売れます。この粘りこそが、最終的な利益の差を生みます。

② オークション相場が上昇した時

「安く仕入れたから、安く早く売ってしまおう」という考え方は、実は本来得られるはずの粗利を捨て、自社の経営を圧迫してしまう考え方です。

  • 「置き換えコスト」で考える: 相場が上がっているときは、今ある在庫を売った後、同じ条件の車を再度仕入れようとすれば、以前より高い資金が必要です。つまり、その在庫の価値は、仕入れた時よりも「今」の方が確実に上がっています。

  • 値上げの判断: オークションの落札相場が上昇傾向にあるなら、今の在庫の小売価格も即座に連動させるべきです。価格を維持して低い価格で売っている競合の車が売れた後は小売相場も上がるからです。過去の仕入れ値ではなく、現在の「仕入れ値」に合わせて価格をプラスに修正することで、利益を最大化できます。

③ 需給バランスが好転(需要増・供給減)した時

市場の在庫状況は、日々刻々と変わります。仕入れ時よりも市場環境が好転した時こそが、値上げの絶好機です。これは、一部の大手販売店では実践されていることですが、ほとんどの販売店にまだ浸透していない考え方です。意識して実践できるようになると大型店、小型店かかわらず、すべての店舗で粗利を改善できます。

  • 需給バランスの好転: 需要が供給を上回るような状況においては、小売成約相場が上がります。中古車販売における供給とは、中古車サイトに掲載されている車の数、需要は直近で売れている車の数です。需給バランスは毎日変化するものですが、好転トレンドに入った時は値上げのチャンスです。たとえば輸出需要の急増などで、国内市場から同型車が急激に減ったなら、あなたの在庫の価値は昨日よりも高まっています。

  • ツールで需給バランスを確認: 「くるま値付けくん」などの値付け支援ツールでは、この需給バランスがわかりやすく数値化されており、リアルタイムで在庫車両の市場需給バランスを確認することができます。定期的に需給バランスを確認し、トレンドが好転したときに価格を引き上げる。これこそが、車体粗利を最大化するプロの値付けです。


結論:適切なタイミングで値上げができれば利益は増える

これまで多くの中古車販売店にとって、価格変更は「売れないから下げる」という後ろ向きな作業でした。しかし、仕入れ相場が高騰し、1台あたりの利益が削られている2026年の市場において、その「値下げ一辺倒」の思考は経営をじわじわと圧迫します。

今回ご紹介した3つの視点は、すべて共通の目的を持っています。それは、「相場の変動をいち早く察知し、自社の在庫を『最も高く売れる瞬間』に合わせる」ということです。

  • 競合がいなくなれば、高く売るチャンスが生まれる。

  • オークション相場が上がれば、在庫の売価も引き上げる必要がある。

  • 需給バランスが好転すれば、強気のプライシングでも売れる。

中古車販売は「モノ売り」ではなく「投資管理」です。データに基づいて適切なタイミングで値上げを行う。この主体的な価格コントロールこそが、激動の2026年を勝ち抜き、貴社の利益を守り抜くための最強の武器となるはずです。


次の一歩として: まずは、貴社の在庫の中で「仕入れ時よりも現在のAA相場が高くなっている車」を1台ピックアップしてみませんか?その価格を3万円「上げて」みて、2週間反応を追ってみる。その小さな「実験」が、データ経営への大きな転換点になります。

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この記事を書いた人

金城 剛志

中古車販売コンサルタント/くるま値付けくん編集部
大手中古車販売チェーンにて、10年にわたり車両の仕入れと値付け業務を担当。市場動向を読みながら「売れる価格」「売れる車種」を見極めるプロとして、数多くの現場経験を積んできました。
現在は中古車販売のコンサルティングと「くるま値付けくん」編集部にて、その知見を活かした記事コンテンツを発信中。